世界の水事情 井戸が世界を救う

日本のように蛇口をひねれば常に安全な飲料水が出るという環境が、必ずしも世界どこにでもあるとは限りません。アフリカやアジアの途上国では安全な飲料水を確保することがとても難しいというのが現状です。

水を求め片道数キロもの道なりを1日に何度も往復し、汲みに行くという生活をしている人がまだまだたくさんいます。その数9億人弱とも言われています。そして、その水汲みの仕事を強いられているのが女性や子どもであるというのも現状です。そのせいで、子供は学校に行く時間もなく、女性は働く時間もありません。

これがアフリカやアジアの国々の発展につながらない要因の一つでもあります。つまり、安全な飲料水を確保できる場所を作るという事が、経済発展にもつながるのです。

また、数キロも歩いて汲んできた水は決して安全な水ではありません。そんな不衛生な水が原因で病気となり1日に5000人もの子供が命を落としているのも事実です。

日本では、このような地域が直面している水問題にどのような貢献をしているのでしょうか。

私は最近、アフリカの地域に深井戸堀りの技術をアフリカや東南アジアの人に教えている大野篤志さんの特集をしている番組を拝見しました。この方は、IWP(インターナショナル・ウォーター・プロジェクト)の代表をされています。

IWPとは、アフリカや東南アジアなどの水に困っている国に安全な水が確保できるよう、上総(かずさ)堀りという千葉県発祥の深井戸堀り技術を普及させる活動を行っている国際的なボランティアグループです。

大野さんは、水問題に直面している国へ出向き、現地の人と一緒に井戸堀りを行い、その技術を教えています。その際に、日本からは道具を一つも持たず、全て現地で調達した道具や材料で井戸を掘るのです。

その理由は、このプロジェクトの最終目標が、現地の人たちだけで掘削でき、井戸を作ることができるようになることだという点にあります。大野さんはお金や完成された井戸を提供するのではなく、現地の方に井戸掘りの方法を教え、現地の人々が自立することが大切だと言います。これはアフリカのことわざにある「飢えている人に魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教えてあげよ」という精神からきているそうです。

また、深井戸の掘る技術だけでなくメンテナンスが出来るように技術者の育成、衛生教育を行っています。

かつては日本人も水汲みに苦労していました。しかし、現代の日本人は蛇口をひねれば常に安全な飲料水を手に入れることができる恵まれた環境で生活をしているため、その苦労を知らない人の方が多くなってきています。私たちは、大野さんのように世界の水問題に直面している人々の為に日本の高度な技術を提供できる環境を作っていかなければいけないと思います。

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